シューズの選択とフィッティング

ランニングシューズについて:

多くのシューズが販売されていますが、それぞれの目的やスポーツのニーズに合わせたものが開発されています。ランニングの為にはランニング専用のシューズを選びましょう。またデザインや色だけで決めるのではなく、ランニングシューズ専門店で、あなたの足とその機能、そしてランニングスタイルに合ったシューズを見つけることが大切です。

ランニングシューズの構造

横から

  • アッパー:主に通気性が良く、軽いメッシュ素材を使用していることが多いです
  • ミッドソール:アウトソールとアッパーの間に存在する中間のソールで、主にクッションの役割をする素材や安定性を増すための硬い素材をつかったりしています
  • アウトソール:一番裏側に位置する摩擦に強い素材で作られたソールです

横から

  • アウトソール
  • ミッドソール

上から

  • タング(舌)
  • レーシングシステム(靴紐システム)
  • トーボックス(つま先の空間)

裏から(アウトソール)

  • フレックスグルーブ:つま先でプッシュオフ(蹴り出し)をしやすいようにアウトソールを分離しているデザイン
  • スプリットヒール:踵の外側からストライクし易いようにアウトソールが分かれている場合があります

ランニングシューズの種類

ランニング用シューズは足部を保護し、安定させながら、エネルギーを効率よく伝達できる様に考えられています。

障害予防の観点からそのサポートレベルによって主に4種類に分けられます

  1. クッショニング(Cushioning)シューズ
  2. モーションコントロール(Motion Control)シューズ
  3. スタビリティー(Stability)シューズ
  4. その他

サポートとクッションは両方を取るわけにはいかず、サポート力(安定性がある)が高いとクッション性は減少してしまいます。

その人に合った適切なレベルのサポート力とクッション性のバランスを考えたシューズを専門家のアドバイスを受けながら選びましょう。

クッショニングシューズ

ニュートラルシューズとも呼ばれ、衝撃力の吸収を重視しているシューズで、ハイアーチの人や、内側に足部の過剰な動き(回内運動)が見られない人向き。回内の制御をする為の硬い素材を用いたミッドソールを配置していないのが特徴。

モーションコントロールシューズ

足部により高いレベルのサポートの為に更に硬いミッドソールを内側に配して、不安定性・動き(過剰な回内運動)をコントロールするようデザインされているシューズです。衝撃吸収能力はその分少なくなっていることが多いです。偏平足・過回内する足のランナー、向き。あまり日本国内では販売されていません。

スタビリティーシューズ

クッショニングとモーションコントロールシューズの中間に位置しているシューズ。足部の少~中程度の不安定性を制御する為の硬めのミッドソールを内側に配置しているシューズで、シューズによりサポートレベルが様々です。このタイプは多くのモデルが各メーカーから出されています。

その他のシューズ

近年の流れとしてランニング障害の予防として、よりナチュラルに走るのが良いのではないかというトレンド(素足によるランニング:Barefoot Running) があり、その流れで素足に近いシューズやつま先と踵の高さが同じで前傾させていないフラットな靴底のシューズ(ゼロ・ドロップ)がポピュラーになってきています。

FIVE FINGER その他

ZERO DROP シューズ

HOKA


Altra

これらのシューズは踵から接地(ヒールストライク)しない走りを促進(ミッドフットストライク:足の中央部での接地)することで、ヒールストライクをした場合の衝撃(多くのランニング障害の原因と言われている)を1/3~1/5に減少させるといわれている。

正しいシューズの選択・フィッティング・ケアのポイント

シューズとの相性を見たり、足の特徴を判断するビデオや計測器を備えたランニングショップも日本でも増えました。

シューズの選択

ランニング専門のシューズを!

シューズは目的に合った専用のものであること(例:体育館などのでのターンやジャンプなどの動きを想定したバスケットボールシューズでランニングを長時間行うのはあまり良い考えではありませんね)また、不安定性のある足には安定性の高いシューズを選ぶなど目的に合ったシューズから選択することも重要です

自分の足に合ったメーカー・モデルを選びましょう!

自分の足にあったもの:メーカーによってその元となる形に特徴があります。(例:X社のは幅が狭い、Y社のはトーボックスが広い、など)あなた自身の足の特徴とメーカーの特徴があった場合には足入れをした際にしっくり感じることが多いようです。またフィットしたシューズを見つけてもモデルチェンジをしてしまったら合わなくなった、ということもあります。人によっては同じモデルを買いだめする人もいます

シューズのフィッティング

正しいシューズのフィッティングのポイントとっしては以下のものが挙げられます

  1. 夕方以降に買う
  2. 走る際に使用するのと同じ靴下を履く
  3. 足の前と靴の間隔を1cm~1.5cmぐらい
  4. 足の一番広い部分=靴の一番広い部分
  5. 踵はしっかり止まっておいて、アキレス腱上で動いて刺激しない
  6. 店で履き心地が良くないシューズは購入しない・一種類以上のシューズを履いてみる:履いて気持ちの良いものを
  7. シューズを平らな面に 置いてみる→傾かないこと
  8. 出来れば固い路面でシューズを 履いて走ってみる

シューズのケア

いつシューズを買い替えたらよいでしょう?以下、そのポイントを挙げておきます。

  • 膝の痛みが発生した時
  • アウトソールにひびが見られる様になった時
  • 大体通常約900km程で寿命

シューズのケアの仕方としては以下に注意をしてツールとしてのシューズを大事にしましょう

  • 複数のシューズをローテーションすることでシューズの消耗・摩耗を避けることが出来る
  • 決して洗濯機でシューズを洗わないこと。食器洗剤とスポンジで洗い、外で乾燥、匂いとバクテリア対策にシューズの中にベーキングソーダを入れる

シューズの寿命

一般的にランニングシューズの寿命は走行距離として500~800㎞だと言われています。「膝が痛い」「足首が痛くなった」 など感じた時はシューズが古すぎないか確認してみましょう